ドイツ歌曲 シュトラウス Allerseeren
先日のドイツ語ディクション、リートレッスンにて、Allerseerenを学びました。
万霊節とは、キリスト教で11月2日の死者の霊を祀る記念日のことを指すそうです。
亡くなった女性への変わらぬ愛の告白がシュトラウスによって厳かさと情熱をもった作品です。
まるで失恋の歌のようだけれど、最終節にいたって、その恋人はすでに故人であることが明かされる。二度と逢うことができない恋人に呼びかける、切ない恋の詞です。
シュトラウスの作品は、細かい転調があり、和声を感じながら歌うことがとても重要になります。
また、シュトラウスは朗唱に近くなり、詩に対して曲をつけるほど、詩が重要になっています。歌い手はより深く、詩を理解し、しっかりと発音する事が大切です。
簡単に見える同じ音符が続く時に、平坦にならず、音楽の躍動感を出しながら、どの言葉に向かって行くのか。しっかりと理解しなければいけません。先生からしっかりと教えて頂きました。
そんなことを感じさせないぐらいの、穏やかで美しいメロディーです。
Stell auf den Tisch
die duftenden Reseden,
Die letzten roten Astern trag herbei,
Und laß uns wieder
von der Liebe reden,
Wie einst im Mai.
良い香りのモクセイソウを
テーブルの上に飾り
新しい赤いエゾギクを
こちらへ運ぼう
そして再び愛を語ろう
かつての五月のように
Gib mir die Hand,
daß ich sie heimlich drücke
Und wenn man's sieht,
mir ist es einerlei,
Gib mir nur einen
deiner süßen Blicke,
Wie einst im Mai.
僕に手を差し出して
ひそかに手を握らせて
人に見られても構わない
貴方の可愛い眼差しが欲しい
かつての五月のように
Es blüht und duftet heut
auf jedem Grabe,
Ein Tag im Jahr
ist ja den Toten frei,
Komm an mein Herz,
daß ich dich wieder habe,
Wie einst im Mai.
今日はどのお墓にも
良い香りの花々
1年に1度の
死者が自由になる日
僕の胸においで
また貴方と居たい
かつての五月のように
是非皆さま聴いてみてくださいね。
きっと会いたいけれど、会えない、そんな切ない気持ち、大切な人を思い浮かべる曲です。
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